| そこへ、ひとりの男がカヌーを漕いでやってきた。 |
| 男もまたいたくこの島が気に入り、二人の女神に申し出た。 |
| 「おれもこの島に棲まわせてくれんかね。」 |
| 女神たちは断った。 |
| 「だめです。だってここは私たちの島だもの。」 |
| 諦めきれない男は考えあぐねたすえ、うまい方法を思いつく。 |
| 「互いの名を言い当てたほうが島に残る |
| というのはどうかね?」 |
| 女神たちは思った。 |
| どこの馬の骨か知らぬこの男に |
| 自分たちの名を言い当てることなどできまい。 |
| いわんや、私たちは神。 |
| 男の名はいずれ知れるだろう。 |
| 「良いでしょう。次の月の夜、この浜辺でお会いしましょう。」 |

